top of page
DSC_0075 (4).JPG

私の考えと目標2 地域史資料

地域史資料を守り 歴史と文化を守る

地域への愛を糧に

常に書くことが求められる学問研究に携わり、多くの図書館や資料館に通っていても、本当に書きたいこと、書きたい場所、書くための資料、資料の伴奏者に出会うのは容易ではありません。

その稀有な体験ができたのが、かつての中央区立京橋図書館の地下にあった地域資料室です。

​街路樹の保護活動を始め、街路樹に関する記事の依頼がありました。『建築ジャーナル』には2017年10月から投稿し、『環境新聞』には2019年3月から連載執筆しています。

それら記事を書くのに、京橋の地域資料室は理想的な場所でした。資料があり、資料を熟知した解説者(司書)がいて、私たち利用者の関心を理解している。執筆がスムーズに進むのみならず、こちらの期待以上の資料、情報が提供され、次回の連載記事への提案もいただける、夢の執筆空間でした。

そのうえ同じような関心を持った地域の利用者に出会い、何人もの先輩・友人を得ました。まさに知的なサロンと呼べる場所でした。

​この優れた機能を最もよく知っていたのは、在京のマスコミだったようです。テレビ、新聞など時間に追われる番組スタッフや記者が、常に相談に来ていました。それらの要望に迅速に対応し、一般区民、研究者、ジャーナリズムの要望を満たしていたパフォーマンスは、驚くべき水準だと断言できます。

さらに論文やレポート作成の学生の利用も多かったようです。親切で能力の高い司書のおかげで、必要な資料を速やかに入手したことでしょう。​​

そのパフォーマンスに浴せなくなる恐れを知ったのは、2020年でした。中央区役所の大事な使命だとばかり思っていた図書館管理が、外部の業者に託されるというのです。

役所機能の外部委託、指定管理者制度の問題点については、知っていました。特に命に係わる介護や保育において問題が多いはずです。

この指定管理者制度が図書館にも適用され、唯一無二の地域資料室の現在パフォーマンスの維持が危ない、というのです。

「まさか」と思っているうちに、新図書館「本の森」のニュースを聞き、伝統ある京橋図書館閉館を知りました。本の森に中央区の中央図書館の機能が移り、すべてを指定管理者である外部企業に託されるというではないですか!まさに青天の霹靂です。

私たち地域資料室の愛用者が集まって「中央区立図書館のありかたを考える会」をつくり、区の社会教育団体になりました。

図書の貸し借りや館の管理については外部業者でも問題はないでしょう。しかし私たち地域の宝である地域資料の保存と管理については、何十年も学んできた司書がいる以上、それらの司書が担うべきです。

私たちは、区に対し、貴重な地域資料を、外部業者に託すことが無いよう、区長あて要望書や区議会への請願を行いましたが、現在までのところ、叶いません。長年地域資料について学び、私たちに的確な資料紹介をしてきた司書は、有期雇用であったため、雇止めが伝えられました。これは本人のみならず、私たち利用者の損失であり、地域の損失です。

地域の歴史と文化を語ってあまりある史資料は、外部委託をせず、区が経験ある司書をとおして管理し、効果的に区民が活用できるよう、体制を維持すべきです。

 

愛 みちこ ホームページ

bottom of page